ミャンマーの長井さんとイラクの香田くん

　　ミャンマーで日本人のカメラマンが殺された。方々でミャンマー政府を批判する動きがあるようだが、ミャンマーだけではなく、これが国家の正体なのであり、確かに批判すべきではあるが、ミャンマー政府の人間が歴史に詳しければ「狙い打ちされた」との被害者意識さえ持ちかねない。

　　日本でも学生運動に機動隊を動員し制圧し、東大生の樺美智子さんが殺されて社会問題になった。またASEANが厚顔無恥に内政不干渉の原則を破り、非難決議を採択したが、タイはタマサート大学で軍隊を動員して多数の学生を殺しているし、フィリピンでは今でも人権活動家や左派の主要な人間は暗殺のターゲットにされ、多数が殺されている。フィリピンは民主主義国ではあるが汚職不正が蔓延し、メディア、政治家、法律家、活動家の暗殺も多い。ここは世界でも有数の腐った上層部を持っている国であろう。フィリピンは以前は日本より豊かな国で戦後保障もふんだんに受け、今も自然、人材、地域、教育、観光資源その他相当恵まれているはずだが、とことんうだつの上がらないもったいない国であると思う。西側諸国でこれだけの要素がそろっていて、中程度の国にもなることができない国は相当珍しい。大体このような国では、富の不公正な分配がされており、健全ならば投資や消費に向けられるはずが、一部の権力者の海外口座にお金が眠る。

　　ところで今の日本人は学生運動や労働運動での企業、政府への敗北ですっかりおとなしくなってしまった。ミャンマーの民主化運動を遅れた海外のことと見るのではなく、今の日本で国民がすっかりおとなしいのと比べてミャンマーのほうが先進的とさえいえるのではなかろうか。日本もそろそろ立ち上がっても良いときではないかなと思うのだが。

　今の日本は戦後最悪の不景気で、社会参加すらできない若者が多数いる。20代後半の年金納付率が4割程度なので、その年齢でさえ正社員率は5割に満たないのではなかろうか。零細でも正社員ならヤクザな会社でなければ年金は払う。もちろん中高年だって、老人だって、苦しい人はたくさんいる。問題の年金も今の形では出なくなる。おそらく消費税を10パーセント以上に上げてそれを財源にして、かつ、給付年齢が5年以上遅くなり、金額も相当低くする。ここらへんが今考えている落としどころではなかろうか。人口と所得がずっと増えていくことを前提にできたあんな制度が存在しているのが不思議何だしもらう側としては、これでも良いぐらいでは？もちろん将来的にはもっとひどくなるであろう。これだけ格差がひどくなると、日本はフィリピンのようになるのではなかろうか。今も一部の人間が溜め込んでいて、広く還元されず景気が低迷しているところはそのままだしさ。民主主義のはずなのに国会は福田や安倍のような二代目や麻生のような金持ちの坊ちゃんの仲良し学校であろう。庶民のことなんて考えてくれるわけがない。亡くなったカメラマンはミャンマーに怒りを燃やして出かけたということだが、日本にも怒りを込めて写真を撮るべきことはたくさんありそうだが。

　ともかく話を戻すとミャンマーは今は健全な民主主義が生まれてくる芽のとこにあるんじゃないかな。政府の動きは良くはないが、あれは普通。今よその国であれだけの民主化運動がなされていないので、鎮圧した政府はつるし上げられたが歴史が動くところやはり血が流れるのはやむなしか。民衆からは民主主義の萌芽のような健全さを感じた。

　掲示板に「堤翔吾はミャンマーに行って人生投げて来い」という書き込みがあったがとんでもない。スーダンやイラクで良いと思う。そういえばイラクといえば香田君というハンサムな青年が斬首されたなあ。彼は観光で出かけたという理由だけで批判もされたようだが、仕事で出かければ殉職で、観光で出かけて拉致されれば批判される。。。なんかバランス感覚的に腑に落ちない。当方は香田君は社会問題に自ら触れたいという立派な意思を持って出かけ、潔く死んでいった。今の若者にないとても貴重な人材を失ったと思うのだが・・・。仕事で行ったとか観光で出かけたとか関係ないと思う。何もマスコミや外務省に誰もが携わるわけではないし。。。滝川高校の1人では何もできない人殺しグループがイラクで一歩でも歩けると思うか？？