幸せ

　　献花オフは無事に終わったようである。献花後、先に家に帰った方もいれば今頃仲間の輪を広げている方もいるだろう。多少羽目をはずしても、殺人事件に関わっている疑いが濃厚な滝川高校高校球児TやSのように昼間から深酒して、店で寝転がって周囲に迷惑をかけるような大胆不敵なマナー違反だけはないものであって欲しい。なんにせよ貴重なお時間を割いて出かけられていた方、お疲れ様である。また当方含め居住地が遠方であったり、時間の都合がつかずに出かけられない方の方が多かったであろうが、神戸に行く機会があれば、私立滝川高校前で黙祷をささげられればと思う。

　　この事件についてはまた新たに話が進展して、これは時間の問題であるとは思っていたが、加害者の家族の個人情報や醜態がどんどん漏れているようである。この親にしてこの子ありかなるほどと思うところもあったが、親の教育だけの問題ではないこともあろう。しかし、当方の考えでは加害者の親であるというだけで責任は免れないと考える。それが子を持つ親の運命であろう。もっとも当人がいくら責任から逃れようと思っても、社会の多数による攻撃にさらされれば、どこかで相応の責任を取ることになる。

　　ところで当方で被害者のO君の目指していた神戸大学卒の友人から久々に電話がかかってきた。たわいも話であったのが、なんとも皮肉である。友人は神戸大学を卒業して今は会計関係の仕事をしているが最近結婚もしたようで、立派な社会人となっている。殺されなければ同じような立派な社会人への道を歩いていただろうO君の奪われた将来と重ね合わせてしまった。この事件は自殺ではなく被害者の意思を奪った上でしに至らしめた他殺であると考えるが、やはり逃げて欲しかったな。

　　O君の遺書では成績不振で悩んでいた様子があり、卑怯な滝川高校関係者は「成績不振が自殺の原因だな」などいけしゃあしゃあと述べる。その前に卑劣な極道顔負けのチンピラ集団による50万円にも及ぶ金銭の要求や暴行、犯罪の強要、性的嫌がらせなどがあり、それが原因で、O君は休日に受験生なのに日雇いのバイトをしなければならなかったり、心に重い傷害を持ってしまったので、成績不振になったのであるが。単に怠けていたり伸び悩んで偏差値が下がったのとは土台わけが違う。
　
　　それだけの嫌がらせをされてもO君は、私立進学校に通わせてくれる両親の期待にこたえたかったのであろう、また自分の将来の可能性も広げったのであろう、最期まで神戸大学進学の目標をあきらめなかったようだが、最期に限界が来てしまったのだろう。

　　勉強ができたり、仕事ができるのもそれは良いとは思うが、大事なのは幸せになることで、人間は勉強をしたり、仕事をするために生きているわけではない。学力や収入の高低が人間の価値を表すものでなければ、幸せの尺度になるわけでもない。生きていくためには多少の労働が必要になるのが多くの人の置かれた境遇であるが、大事なのは幸せになることだけであろう。被害者のO君の真面目さや責任感が最期は悲劇を生んでしまったが、密室でどうしようもない状態に置かれている人がいれば、まずはそこから逃げることが大事なのだと思う。生きていれば幸せになる機会はいくらでもあろう。